362:名無しNIPPER[sage saga]
2018/04/21(土) 23:12:21.36 ID:aP2GD9YT0
とあるキッカケで一緒に住んでいる同居人のサンディ。
昔過ごしていた環境の影響からか塞ぎがちな子だったが、最近は朗らかな笑顔を見せてくれるようになった。
そんな彼女の趣味、もとい修行の一環は猫の観察。
一体どういう風に観察対象をチェックしているのか、実は前々から気になっていた。
観察ノートを見せてほしいと言ったら「恥ずかしいので……ちょっと……」と濁されたので
以来僕からはあまりその事に触れないようにしていたのだ。
まぁ、保護者として遠目から成長を見守ってみたいという気持ちは父性に似たサムシングだろう。
そんな僕は今現在、アロハシャツに身を包みサングラスをかけて電柱の陰に潜んでいる。
視線の先には空き地の土管を見つめる同居人の姿。
正確には土管ではなくその上に鎮座している三毛猫だろう。
なるほど、あの猫が観察対象か。
ふと目線を右に逸らしてみると、電柱の付近に立つカーブミラーに映るぐぅの音も出ない変質者と目が合った、気がした。
その格好はアロハシャツにサングラス。紛う事なく自分の姿だった。
ハードボイルドは今日だけ家に置いてきた事にしておこう。
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