273:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 01:15:40.88 ID:DwkAWVf50
それから僕とマスターは時間を縫い合わせるかのように会話に興じる。
最近の景気、前所長の話、春先に店に置く植物の話、などなど。
その中で、二人の癖について話題が飛んだ。
「マスターって何だかんだ承諾してくれるときって頭掻く癖ありますよね」
「ああ、まぁそりゃこんだけ生きてると色んなもんが染み付いちまうのよ」
「そんなもんですか」
「そんなもんだ。そういやお前も色々と癖あるよな」
「曲者なので」
「十秒五倍な」
「大変申し訳ございませんでした。それで、僕の癖のことですか?」
そう言いながら、ツケにかこつけて追加注文していたコーヒーを軽く啜った。
「癖といえば、お前たしか自分の好きな映画のケースにエロDVD隠してるとか言ってたな。
年端もいかない同居人がいるんだったら、その癖を早く治しとけよ」
それを聞いた瞬間、飲んでいたコーヒーの手が止まる。
少し間を置いて全身の汗が一気に噴き出した。
探偵物語がクロだった。
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