259:名無しNIPPER[saga]
2017/12/12(火) 05:08:52.14 ID:sLz/PBVL0
「おはようございます……元日早々から寝坊して申し訳ありません……」
「おはよう、サンディ。僕も起きたばかりだし気にしないで」
お兄さんは朗らかに笑いながら、ご飯の準備を進めている。
おせち、というものを取り寄せていたようで、お雑煮というのを作り終えるまで
それを摘まんで待っていてほしいとの事。
私は重箱に入っている彩り鮮やかなその中から、不思議な形の食べ物をぱくりと食べてみる。
おお、かまぼこだ。美味しい。
「それにしても、よく寝てたねぇ。今日の夜が初夢になるから、その調子だといい夢を見れそうだね」
「あ、はい……」
私は夢を見ない。
お兄さんにそれを伝えていないから、もちろん知る筈も無く。
「今日はお兄さんの夢を見れたら嬉しいです」
と付け足してみる。
「嬉しいこと言うねぇ。じゃあ僕はサンディの夢を見ようかな。
あ、お餅は何個ほしい?」
「えっと、六個です」
「いいねぇ、僕は餅あまり食べないから助かるよ」
少々食い意地が張ってしまったような気がしなくもない。
運ばれてきたお雑煮が大きいドンブリに入っていた辺りで、少しだけ後悔した。
そんな穏やかな元日をお兄さんと過ごす事が出来た。
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