208:名無しNIPPER[saga]
2017/11/25(土) 12:18:25.10 ID:KdyHe2Zm0
サンタはいない。
でも、もしいたとしても、プレゼントはいらない。
たった一つだけお願い事を聞いてほしい。
“孤児院に行った二人が幸せに暮らせていますように”
私はお兄さんから渡されたメモ紙にそう書いて、
事務所の中に準備してくれた『サンタさんへのポスト』へ就寝前に投函した。
もうサンタなんて信じる年頃ではないが、優しさを無碍にしたくないのでそれは置いておこう。
願い事は何でもいいとは言われたものの、我ながら漠然とした内容だ。
これは叶えるのが難しいな、と少し困った顔をするであろう人物が思い浮かぶ。
それはふくよかで白鬚を口元にたくわえた虚像ではなく。
柔らかい笑顔の似合う、とっても素敵で、ソフトマイルドなサンタさんだった。
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