197:名無しNIPPER[saga]
2017/11/23(木) 04:03:22.26 ID:uKzXp4eX0
紆余曲折はあれど、どうにか意図は伝わったようで、やや長めくらいの髪型に仕上げてもらう事に。
お姉さんは早々にセットが終わって、先にお店を出ていった。
とっても可愛い髪型だったし、何よりも、また会いましょうと私に向けて微笑んでくれたあの笑顔が素敵だった。
大人は怖いけれど、それだけじゃないというのが日本に来て分かってきた。
あのお姉さんにはまた会いたいな、と思う。
それから髪を霧吹きで軽く濡らして、ちょきちょきと小気味のいい音が自分の耳元から聞こえてくる。
足元にぱさりと落ちてくる黒髪が、今こうしてカットされている様を物語っていた。
以前は乱暴に髪を引っ張られてじょきじょきと錆び付いたハサミで切られていたから凄く痛かったのに
何故だか今こうして髪を切られるととても心地いい。
目蓋がとろんと重くなってきてしまう。
不意に睡魔が肩を掴んできたと思えば、次の瞬間には店員さんから肩をゆすられていた。
「大体の形が出来ましたが、如何でしょうか」
鏡の前に映るのが一瞬誰なのか分からなかった。
前とサイドはボブテイスト、後ろは長さを残しつつ、ロングに伸ばしてもおかしくないようにしたとの事。
不思議だ。髪型一つでこうも心が躍るのか。
早くお兄さんに会って、見せてみたい。そんな事を思ってしまう。
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