194:名無しNIPPER[saga]
2017/11/23(木) 03:33:30.34 ID:uKzXp4eX0
今日はお兄さんの買い物がてら、二人で街に出ていた。
目的の物を買うのに時間がかかるという事だったので、お付き合いしますと言ったものの
「サンディはここで待機ね」
「え……?」
と、待機場所を命ぜられたのは、美容院という所だった。
そこはどうやら髪を切る場所のようで、美人ばかりが所狭しと往来していた。
奴隷身分で場違いな私は凄く気が引ける。
ここで勝手に待っていてもいいのかとおろおろしていたら、
何やらお兄さんが受付の方と二言三言と言葉を交わしている。
それからすぐに、こちらですと店の中に案内された。
「じゃあ、髪でも切って待っててね。
僕も用事を済ませてくるんで、あとから迎えに来るよ」
そう言ってお兄さんはヒラヒラと手を振って店を出る。
自分にとって髪は、荒っぽく掴まれたり、気まぐれで焦がされたり、乱雑に切られるだけのもので
こんなに煌びやかな場所で整えるなんてやった事がない。
いざ席に着いて、如何されますかと言われても、あ、う、う、と言葉に詰まってしまう。
しどろもどろになっていたら、自分の隣の座席から急に声が聞こえてきた。
「サンディちゃん!!?」
自分の名前が呼ばれた事に驚きながらも横を向くと。
そこには、以前私に洋服を見繕ってくれたあのお姉さんがいた。
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