195:名無しNIPPER[saga]
2017/11/23(木) 03:46:18.14 ID:uKzXp4eX0
お姉さんとの再会を喜ぼうにも、どう言葉を交わしていいのか分からない私は、軽くぺこりと会釈をする。
当の本人はテンションを高くして喜んでくれる。
なんだか照れ臭い。頬が染まってしまう。
お姉さんも髪を切りにきたのかと訊ねてみると、『ごうこん』のために髪をセットしに来たのだという。
よく分からないが凄い気迫を感じるので、後程たぶん大事な場に赴くのだろうか。
そんなお姉さんは私を見て、むふふと笑う。
「サンディちゃんは、どんな髪型にするの? あの大好きなお兄さんの好みのタイプに?」
しゅぽん、と。頭から湯気が出る音がした。
あ、な、な、あ、あ、あぁ……!
何か言おうとしてみるものの、言葉が紡げない。
「あら図星!? やだもう、お姉さん全力で応援するからね!
あの人なんだか朴念仁そうだし、落とすのは困難と思うけれど、ファイトよ、ファイト!!」
そんなつもりじゃないのだが、確かに自分の髪型なんて気にした事はほとんどなかった。
だから、せっかくならばお兄さんが見ても不快な気持ちにさせないというか、
ちょっと、いいな、って思ってくれたら、私は、ちょっぴり、嬉しい、かもしれない……。
私はお姉さんの言葉にこくり、と頷いた。
気が付けば、お姉さんの他にも、後ろで待機していた店員さんまでニマニマしていた。
顔から火が出そうだ。
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