156:名無しNIPPER[saga]
2017/11/15(水) 23:53:48.99 ID:PX2kAcV30
「お兄さん、どうされましたか?」
ふと気づき、意識が再びサンディに向けられる。
ぼんやり考え事としていたのが顔に出ていたのか、対面に座る彼女から不安な目線を送られる。
大丈夫、気にしないで。そう伝えて、誤魔化すようにコーヒーを一啜り。
それなら良かったです、とサンディも僕を真似るように手元のホットミルクに口づける。
飲む仕草の際に、長い前髪がぱさりと垂れて、彼女の表情を隠してくる。
改めて彼女をまじまじと眺めてみた。
うん、やはり気のせいじゃないな。
「サンディ」
「はい?」
「髪、伸びたねぇ……」
「そうでしょうか?」
「どのくらい切ってないの?」
「日本に来るときに切られて以来なので、だいたい二ヶ月くらいです」
出会った当初は無造作に切られていた印象の強いボサボサの髪の毛だったが、
それゆえ現状は変な部分が長かったり、ボリュームが出過ぎてサイドがもっさりしている。
それに何よりも前髪だ。
目隠れ、という昨今で流行しているヘアスタイルのジャンルを聞いた事はあるが
流石に前髪が鼻先についた状態だと日々の生活でも邪魔になってしまうだろう。
綺麗な顔なのに隠れているのも勿体ない。
これは近いうちに美容室にでも連れて行ってあげなくちゃいけないな。
598Res/293.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20