118:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 06:35:52.28 ID:OiSFZpw30
事務所に繋がる扉を開けると、鼻腔を何やら良い匂いがくすぐってくる。
この香りはいつもお兄さんが飲んでいるコーヒーというものの匂いらしい。
鼻先だけで苦みを覚えてしまいそうなのに、それが無骨に心をほぐしてくれる。
香りの出処は、ソファで新聞を広げている人物からだった。
その方は私が起床してきた事に気が付くと、新聞を置いて、ふわりとたわむような優しい顔を見せてくれる。
「おはよう、サンディ」
この笑顔を朝から見ると一瞬で目が覚める。それと同時に、何故だか胸の動悸まで起こしてくれる。
おはようございます、と敬意を込めて一礼を交わす。
そのまま目線をずらして暦を見ると、今日の日付は十一月二十五日。
お兄さんの下にお世話になり始めてから二週間が経過していた。
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