215:名無しNIPPER[saga]
2019/08/25(日) 17:55:08.57 ID:AAdq5sgSO
バハムート「あの娘も……ハルカもお前と同様に聖騎士だ。世界を背負う義務はあっても悪であるコトリを救って良い道理は無い」
バハムート「世界に破滅を持たらさんとする悪を助けるつもりならば、即ちそれは世界を脅かすということだ。確かにハルカたちは世界の敵というお前の表現は間違っていない」
バハムート「だが、お前は最初から理解していた。ハルカには勝てぬということを」
バハムート「お前は最初から敗けるつもりで、ハルカの聖光爆裂破を完成させるために……ハルカの助けとなるためだけに戦いを挑んだのだ」
バハムート「ハルカたちが世界の敵ならば、それを助けたお前もまた世界の敵、ということになろう」
クルーヤ「………」
クルーヤ「…………ふぅ」
クルーヤ「悔しいけど、概ね君の言うとおりだ。でも一つだけ違うところがある」
クルーヤ「ボクは別に負けるつもりでハルカに戦いを挑んだわけじゃない。もちろんハルカを倒すつもりだった」
バハムート「……ほう?」
クルーヤ「でも……」
クルーヤ「最後に彼女がボクに剣を向けた時、お礼を言って笑ったんだ」
クルーヤ「ボクにはその笑顔がとても哀しく見えてしまって……。『ハルカはどんな風に笑っていたんだっけ』って一瞬考えた」
クルーヤ「あの子の心からの笑顔を思い出した時には、もうボクにはハルカを倒そうとする意思も、世界のためにコトリさんを眠りにつかせようという想いも残っていなかった」
クルーヤ「やっぱりハルカには心から笑っていてほしい、ハルカの願いを叶えてあげたいって、そう思ってしまった」
クルーヤ「その瞬間にボクは聖騎士としての宿命を……今までずっと貫いてきたものを、完全に手放したんだ……」
バハムート「………」
クルーヤ「前言を撤回しなきゃいけないね。ハルカたちは世界の敵なんかじゃない」
クルーヤ「だって彼女たちは、世界の人々だけじゃなく、世界そのものにすら愛されているんだからさ」
バハムート「…………フン、随分と難儀な親子愛よな」
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