4: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/11/05(日) 18:31:15.27 ID:G6b6DZ3fo
盗賊「はい。魔王城は警備も固く、盗み聞きできたのはホンの一部ですけど」
商人「魔王城に忍び込むだけでも、相当なものだよ」
盗賊「鍛えてますから」
盗賊「―――勇者様ですが、どうも王国への不信感を魔王にケシカケられちゃったみたいです」
盗賊「結論を言うと、魔王軍に勇者一行全員が参入する形になっちゃいました」
騎士「王国への不信感か・・・あちゃー、心当たりが多すぎて何の反論もできないなあ」
商人「は?心当たりなんて何もないんですけど。王国への不信感ですって?あのバカ勇者が、そんな人並みな考え持てるわけないでしょう」
商人「魔王が、実は可愛い幼女で、幼女趣味の変態勇者が一目惚れちまったってのほうが、まだ納得できるぜ」
盗賊「かぁ!!!!!」キッ
威嚇の声と同時に盗賊の目がカッと見開かれ、瞳孔が大きく広がる
手はカタカタと小刻みに震えながら、少しずつ腰の小刀へと伸びていく
勇者を冒涜した商人への殺意と同時に、一年を共にした商人への仲間意識、その二つのせめぎ合い
盗賊の葛藤が、その震える手からうかがえる
幸いにもその異常な姿は、商人に勇者への暴言を思いとどませるに至った
商人「ひぃ!すみません!言いすぎました!」
盗賊の勇者への心酔
彼女のそれは、既に信仰の域に達していた
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