盗賊「勇者様!もう勘弁なりません!」
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3: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/11/05(日) 18:30:47.81 ID:G6b6DZ3fo


商人「おいおいおい!勇者は、魔王と和睦したって話だったじゃねえか!」


商人の怒気を含んだ声が辺りに響き渡る
魔王城を臨む小高い丘、索敵は既に済ましてあり
更に賢者によって張られた結界により、その声が魔物に届く心配はない

それを知ってか知らずか、商人は自身の感情をストレートに声にのせる


商人「勇者が魔王に寝返った!?俺たちを裏切ったってことか!?一体、どうなってるんだよ!」


商人「勇者め!世界を救うって約束したじゃないか!俺たちを要職に押し上げてくれるって約束したじゃないか!」


騎士「落ち着きなさい、商人くん。私たちは、そんな約束を勇者とした覚えは一切ないし」


騎士「なにより出世は、自力で頑張るものだよ?」


ひときわ大人びた声で、まるで子供を諭すかのように商人を諫めるのは騎士
頑強な肉体と、ガラスの心を一つの器に宿す最年長者にして勇者補助係の係長、言い換えれば現場責任者だ
その内ポケットには、彼のストレスとの戦う術
彼の精神を体現したかのような、繊細な胃を癒す薬が無数に蓄えられている


騎士「とりあえず詳細を聞こう、盗賊さん頼むよ」


盗賊「はい。魔王城は警備も固く、盗み聞きできたのはホンの一部ですけど」


盗賊の仕事は、情報収集だ
彼女は、義賊であった父親から数多の盗賊スキルを伝授されるものの
盗みを働いたことは無く、彼女の持つ盗みや殺しの技術は日々の生活に全くの不要で
あまつさえ、持て余していたほどだ 
その宝の持ち腐れという盗賊にとっては何とも皮肉めいた状況を、ひっくり返したのが大臣である
彼女のスキルを見出した大臣は、あろうことか囚われた彼女の父親、義賊の開放を条件に
その忠誠を得、果たして盗賊は穏やかな生活を飛び出し勇者補助係の一員となった


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