36: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/11/08(水) 22:51:26.53 ID:1/6b/enLo
王「儂は、国民がそう願うのなら身を引く覚悟はできておるのだ」
王「この国は儂がおらずとも回るよう儂自身の手によって作り替えた、そのための行政府や議会なのだ」
王「国民が勇者の志に供にし儂に退陣を求めるならば、それはこの国の国民が真に自立したことを意味する」
王「それは、儂も望むところなのだよ、大臣」
大臣「し、しかし陛下!私や陛下が居なくては国は回りませぬ」
近衛兵長「傲慢であるぞ!控えろ大臣よ!」
大臣「近衛風情が、口をはさむな!」
近衛兵長「ふん、陛下に異議を唱えるならば貴様自身の手で勇者を罷免すればよい!」
大臣「勇者の指名が陛下の専任事項であることは貴様も知っておろう!その解任もまた同様だ!」
近衛兵長「わかっている!だから口を出すなと言っているのだ!」
二人の応酬から、盗賊はそこにある確執を感じ取っていた
王直属である近衛兵団、行政の長である大臣、仕事を行ううえで
これまでも幾度となく両者はぶつかり合ってきたのであろう
しかし、それは両者の間に留まるだけのものであろうかと、盗賊はふと疑問に思った
近衛兵長は、王に最も近しい人物と目されている
その近衛兵長と大臣の対立は、言い換えれば陛下と大臣の対立に置き換えられるのではないだろうか
だとしたら、今の自分はどうなのだ
大臣の部下である、私や勇者補助係の皆は?
身の振り方を考えようにも、父の存在が、盗賊にそれを思いとどまらせるのであった
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