盗賊「勇者様!もう勘弁なりません!」
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204: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/01/09(火) 16:03:02.10 ID:stzXCINl0


大臣は、想像だにしていなかった

古来より勇者には、僅かな資金と頼りない装備を支給するのが慣例となっていた

それは、決して支出をケチっているわけではなく、勇者の旅の道中での成長を促す思いから生まれたものである

それ故に、勇者関連事業に巨額の予算がつくとは考えもしなかったのである


かねてより、自らが王座につきかつての王政の復古を目論んでいた大臣は一つの策を思いついた

多くの権力を議会や行政府に委譲した昨今でも、勇者の任命権は、王がもつ数少ない特権の一つである

例えその業務の執行を行政府が担ったとしても、王の任命責任は免れようがないほど重いものであった

勇者の失敗は、それすなわち王の失敗

大臣は、最初から勇者の旅の失敗を目論んでいたのである

そして保険として、行政府が勇者関連事業に誠実に取り組んでいることを見せるために

勇者の出立後に、僅か4名(内1名は新人)から成る勇者課勇者補助係が立ち上げられたのであった


更に言えば、古来よりの慣例であることを理由にすれば

勇者からの不平を封じ、慣例に不慣れな衆民院議員の関心も忌避できる

誰からも、関心を持たれなければ問題が発覚することはまずありえない

不明瞭な予算の執行を指摘されずに乗り切れる自信が大臣にはあった


そして、本来勇者関連事業に使われるべきであった巨額の資金は

王側に近い衆民院議員の切り崩しのためにばらまかれたのである

すなわち王の力をそぎ、自らの力をます一石二鳥の一計であった


大臣「・・・」


大臣「申し訳ないが、急に質問されても困るのだ商人よ・・・」


大臣「財務局に問い合わせ、どのように予算管理がなされていたかを確認しないことには正確な答弁はできん」


大臣「ただ私の記憶だと、勇者はかねてより僅かな資金で国を立つという慣例があったと記憶している」


勇者「魔王ならわかる!俺は、俺たちにわたるはずの金がどこかに流れてるって話を魔王から聞いたんだ!」


大臣「愚か者が!魔王なんぞに籠絡されおって、そんな何の根拠もない話を貴様は鵜呑みにしたのか!?」


勇者「魔王なら!魔王なら・・・わかるんだ!」


王「ふむ、では呼んでみるか」


大臣「陛下、一体何を仰るのですか・・・!?」


王が錫杖を構え、議場中央の壇上に向けて呪文を唱える


王「 召喚魔法 」



王「 魔の者よ我が召喚に応じよ !」



演壇を中心とした魔法陣が、光を放つ


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