1: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:47:38.68 ID:ihQBD9UG0
初期Rの雪美ちゃんがPのことをあなたって呼んだり呼び捨てしたりする理由についてのお話です。
2300文字ぐらいのとても短いお話です。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:49:08.55 ID:ihQBD9UG0
雪美をスカウトして一週間が経った。
未だに、私と雪美は奇妙な距離感で接している。
3: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:50:26.00 ID:ihQBD9UG0
シュレディンガーの猫という思考実験の話を前に聞いたことがある。
詳しくは知らないのだけれど箱をあけるまで猫が生きてるか死んでるかわからないといったような話だった気がする。
雪美はなんとなくそんな感じだ。
4: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:52:30.50 ID:ihQBD9UG0
今度は口をへの字にして何かを訴えかける。
目は口ほどに物を言うという言葉があるが、雪美ほどこの言葉が似合う人間も居ないだろう。
5: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:53:01.36 ID:ihQBD9UG0
来客用のソファに横並びで腰掛ける。
話をするといっても私はただパソコンで作業を続けるだけだし、雪美は本を読むだけだった。
「………ふふ。…うふふっ」
6: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:53:45.79 ID:ihQBD9UG0
「本…………読みたい………?」
作業が興に乗ってきたころ、雪美がずいっと私に詰め寄って視界に本をねじ込んできた。
雪美は妙なところで強引というか大胆なところがある。
7: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:56:10.86 ID:ihQBD9UG0
◆
「じゃぁ、ここで見てるから。撮影頑張ってね」
「うん…私…………頑張る……。………約束…だから」
8: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 20:58:53.30 ID:ihQBD9UG0
撮影は思いの外滞りなく進んでいった。
監督も「ここまで仕草や表情で語れる10歳は初めて見た」と褒めてくれ、手応えの感じる撮影だった。
撮影の後、挨拶周りをし、着替えの済んだ雪美を連れて車に乗る。
9: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 21:00:14.15 ID:ihQBD9UG0
「そういえばさ、雪美ちゃんはなんで私のことはあなたって呼ぶの?」
「ママ………パパ………呼ぶとき…………あなた…って………いう………」
「なるほど」
10: ◆yz988L0kIg[saga]
2017/11/04(土) 21:04:12.78 ID:ihQBD9UG0
以上です。
これからも膝の上の恋人こと佐城雪美ちゃんをよろしくお願いします。
前作です。
【モバマスSS】モバP「佐城雪美は帰らない」小春「その2です〜」
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