神谷奈緒「マーキング」
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8:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:35:10.89 ID:yaYFtgev0
「……お、お疲れ、様……T、さん」


「……」


少女が声を掛けるも、男から返事は返ってはこない。


しかし、目の前で声を掛けられてようやく存在に気がついたのか、男は作業をする手を止めて顔を上げ、少女と視線を合わせる。


顔を上げた事で照らし出されたのは、白髪の混じった黒髪に少しやつれ気味の両頬。


Tと呼ばれた男の相貌は実年齢よりも老けて見え、目元にはどす黒いクマが浮かび、まるで幽鬼の様な顔をしていた。


「……奈緒か」


Tは疲れ果てた口調で少女―――神谷奈緒の名を呼び、それから深くため息を吐いた。


「一体、何の用だ」


尋ねるには似つかわしくない強めの口調で彼はそう言った。


そう口にする言葉の裏に、はっきりとした拒絶の意思が込められている事を奈緒は感じ取った。





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