6:名無しNIPPER[saga]
2017/11/02(木) 07:33:40.46 ID:yaYFtgev0
挿した鍵を一回転させて、扉を開錠させる。普通ならここまでの動作だけで、部屋にへと入る事ができる。
だが、それだけでは終わらない。この部屋に付いている鍵は、一つだけでは無い。
少女は挿した鍵を抜き取ると、今度は別の鍵を手にし、もう一つある鍵穴にへと挿した。
そして先程と同じ様に開錠した後、挿した鍵を抜いてポケットの中にへとしまう。
更には別の位置に付いた鍵二つを、彼女はその手でガチャリと音を立てて開けていく。
鍵を使わずに手で開錠できるのは、それが鍵穴の裏側であるからだった。
合計して四つの鍵を開けると、少女はドアノブをギュッと掴み、扉をゆっくりと開いた。
部屋の中に入ると、そこは辺り一面をコンクリートの床と壁で覆われた灰色の世界。
地下である為に日の光は入ってこず、室内を照らすのは無駄に明るいLED照明のみ。
じめじめとした空気、倉庫として使われてきた過去もあり、全体的に薄汚れた印象の空間。
その空間の中央。ぽつんと置かれた机の奥に人影が一つあった。
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