速水奏「不意に会心の一撃」
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5: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/10/29(日) 23:39:32.93 ID:UMuyyOtY0

◆◇◆

しばらくして。

「すいません、速水の送迎に行ってきます」

ちひろさんにそう告げて、俺は社用車の鍵を手に駐車場まで向かった。ドアを開けて車内に入るも、中の気温は外と変わらず低く、冷たい空気で支配されている。何度か手を揉み、少し暖めてからキーを差し込み、回す。局に着く前に暖めようと、エアコンの温度を最大限まで上げ、車を発進させた。

走らせていると、段々と車内が暖まる。それに引き替え外はどんどん気温が下がっているらしく、雪もわずかながら強くなってきている。フロントガラスに当たった雪をワイパーがどかす度、『一期一会』、と言う言葉が脳裏に浮かぶ。

道中、今までのようにさっきのことを思い返し、また何か差し入れでも買っていこうと、コンビニへ寄ろうかと思った。しかし、待ち合わせの時間に遅れてしまいそうなのでやめておいた。

それに、雪のせいかいつもよりも車の進みが遅い。もう少し余裕を持って出発すれば良かったと、今更ながらに後悔した。

正面が白色で覆われるたび、ワイパーですぐにそれらをどかした。



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