鬼姫「わたしの愛は美しいでしょう?」
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29: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 21:13:52.88 ID:hGr+6DsHO

いえ、目の前の屑に罪はない。

彼以外の男に期待なんてするからいけないのよ。わたしが愚かだったわ。


鬼姫「さあ、早く済ませましょう」

勇者「……いいだろう」


けれど、此処まで来てつまらない真似をしたのなら、どうしてやろうかしら。

あら、何かしら。何かがくる。

魔力、人間の許容量を超える魔力が収束してる。違う、あれは魔力じゃない。

なるほど、人々の『希望』とは良く言ったものね。 何千万のそれが、この屑に力を与えている正体。

下らない。

そんなものに頼らなければ戦えないなんて。そんなものに頼らなければ、わたしの前に立てないなんて。


鬼姫「……まどろっこしいのは嫌いなの、早くぶつけなさい」

勇者「人々の願いを喰らえ、鬼姫!!」


屑が、わたしの名を呼んだ。

彼以外の男が、わたしの名を呼んだ。
彼以外の声が、わたしの名を呼んだ。
彼以外の男が、わたしの名を呼んだ。
彼以外の声が、わたしの名を呼んだ。

わたしは渾身の力で放たれた希望を一振りで消し去り、屑の腕を、触れずに消し飛ばした。



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