鬼姫「わたしの愛は美しいでしょう?」
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24: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2017/10/29(日) 21:05:06.48 ID:hGr+6DsHO

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彼がわたしの手を離れてから数ヶ月が経った。

魔王を殺したのが知れると、魔王傘下の魔族が大挙として現れた。

あの軍勢を前にした時はほんの少しだけ興奮したけれど、やはり彼の前には及ばない。

殺しても殺しても、血を浴びて真っ赤になっても、最後の一人の懇願する顔を見ても……


城の天守に立っても……


結局、何をしても、わたしが満たされることはなかった。

あの時、わたしの屋敷の前に出来た血の流れ。あれだけは美しかった。

名だたる魔族が一つの川となり、地を赤に染める様だけは、美しいと思えた。

彼の血の一滴にも劣るけれど、夕陽も相まって、とても素敵な景色だったと思う。


鬼姫「はぁ、退屈」


最近は敵と呼べる者はめっきり来なくなったから、わたしから出向いて殺しに行っている。

わたしは確かに強いけれど、魔族ってこんなに弱かったのかしら。



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