佐久間まゆ「凛ちゃん聞いてください! まゆ、プロデューサーさんとキスしました!」
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13: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 16:01:35.09 ID:T3zoKt8I0
 次の日、まゆは読者モデルをやっていた頃に歩いていた道を一人で歩き直していました。

 何度も集合場所に使ったステンドグラス前、撮影に使った青葉通りのケヤキの並木道と広瀬通りのイチョウの並木道、モデル仲間と夢を語り合ったオープンカフェ。

 なにもかもがあの頃のままで、あの頃と同じように輝きに満ちていて。
以下略 AAS



14: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 19:50:58.12 ID:T3zoKt8I0
「佐久間じゃないか、久しぶりだな」

「はい、お久しぶりです」

 きっと、とても驚いているのでしょう。
以下略 AAS



15: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 19:56:19.65 ID:T3zoKt8I0
「実はさ、うちの会社でもアイドル事業をやろうって話になっててさ、その企画に俺たちの雑誌も全面的に関わって行こうって話になってるんだ」

 もう何の雑誌かわかりやしないよな、と笑いながら彼は続けます。

 その”俺たち”の中にまゆが入っていない万が一のことを祈りながら、まゆはその続きを黙って聞いていました。
以下略 AAS



16: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:05:10.62 ID:T3zoKt8I0
 幻をみているのかと思いました。

 数分前までは誰もいなかった彼の両隣に、当時の読モの友人が数人、並んでまゆにほほえみかけていたからです。

「びっくりした?」
以下略 AAS



17: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:13:56.07 ID:T3zoKt8I0
 みんなが、まゆの名前を呼びながら手を差し伸べてくれています。

 まゆが自分で壊してしまったあの日の陽だまりが、手が届くところにあるのです。

 もう二度と顔向けできないと思っていた、プロデューサーさんと出会うためのステップだったと自分に言い聞かせてまで目を逸らすしかなかったあの日に、今なら帰れるのです。
以下略 AAS



18: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:16:13.82 ID:T3zoKt8I0
 その瞬間に、まゆは全身に電撃が走り抜けていくのを確かに感じていました。

 それはあの日、初めてプロデューサーさんにお会いした時に体を駆け巡ったものと全く同じもので。

 そしてあの日、初めてプロデューサーさんにお明日時に抱いた気持ちを思い出させてくれるには十分以上の衝撃を持っていて。
以下略 AAS



19: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:18:57.13 ID:T3zoKt8I0
「みなさん。 もう一度まゆに笑いかけてくれて、ありがとうございました」

 まゆの目線が窓の向こうのプロデューサーさんに向いていることに気付いた編集者さんが、信じられないというような顔をしています。

 「でも、ごめんなさい。 まゆのことはもう、忘れてください」
以下略 AAS



20: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:20:49.03 ID:T3zoKt8I0
「プロデューサーさん、迎えに来てくれたんですか?」

 喫茶店を出て、きょろきょろと観光に来た人みたいな歩き方をしているプロデューサーさんにまゆは声をかけました。

 これでもう後には引けませんね、などとそれなりに気持ちを込めて呼びかけましたのに、プロデューサーさんは何事も無かったかのようないつもの表情で振り向いて
以下略 AAS



21: ◆E055cIpaPs
2017/10/29(日) 20:21:32.68 ID:T3zoKt8I0
終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました。


22:名無しNIPPER[sage]
2017/10/29(日) 20:49:51.94 ID:sr/3pPHLO
おつ、良かった


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