4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/29(日) 00:47:38.12 ID:xEnS6ULnO
「退屈じゃなかった? ずっと一人で」
「いえ、そんなことはありませんでしたよ。言葉はなくとも貴方とこうして重なって……貴方の鼓動や息遣い、温もりを感じながらいられるのは……貴方の安らかな寝顔を見つめていられるのは、私にとって退屈などではなく幸せに満ちた時間ですから」
「……そっか」
「ええ。……ふふ、とっても可愛らしい寝顔でしたよ?」
五時間ずっと、その間を延々と眺められていたのか。と内心気恥ずかしく照れてしまったのを察されて微笑まれる。
そのことにまた込み上げてくる恥ずかしさを増してしまいながら、なんとか表情には出さないよう意地を張りつつ見つめあう。
「……ああ、それと」
「うん?」
「マスター。その……今の私を見て、何か思うことはないでしょうか……?」
するとふと。そんな姿を視界へ収めながら僕へ触れるジャンヌが……右の手は頬へ添えたまま左の手を上へ動かして、そうして髪を弄るジャンヌが呟き。
髪や頬を撫でながら。密着した身体をすりすり、と控えめに擦らせながら。そうしながらぽつり、と。
「何か……?」
「ええ、何か」
「んー……そうだなぁ……」
「……」
「ええっと……」
「……」
「ううん……」
「……」
「……」
「…………やはり、聞いていたお話のようにはいかないのでしょうか」
15Res/14.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20