15:名無しNIPPER
2017/10/26(木) 18:04:28.73 ID:asL/AF86O
【P】
まゆはそれから毎晩、私のところへ来ました。
ただ、不思議なことに、同じように毎晩のように来ている美優と会うことはありませんでした。
私はまゆに言われた通り、まゆのことは秘密にしていました。
1週間の自宅謹慎が終わり、私は出社しました。
全員への挨拶とお詫び周りが終わった時のことです。私はある少女に呼び止められました。
「そなたー、死相がでておるのでしてー。」
彼女は依田芳乃。とても不思議な力を持っている少女でした。
「そういえば、ちょっと疲れ気味かな?まぁ、病み上がりだしな。」
とごまかしたものの、彼女ははっきりと言いました。
「そなたの所へ通っている者は死霊の類でしてー。」
「疑うのであれば、その者の靴か、その者が住んでいるという所を調べるとよいのでしてー。」
私は、まさかと思い、笑いましたが、あまりに彼女が真剣なので、少し不安になりました。
その日、夕方から雨が降り始めました。冷たい、冷たい雨でした。
部屋に戻り、しばらくすると美優が来ました。
そして、共に夕食を食べ、少しの時間を過ごした後、彼女は帰っていきました。
そして夜半近くなり、いつも通り、カツン・・・カツン・・・と音を立てて、まゆが来ました。
外ではまだ、しとしとと雨が降り続けていました。
彼女は部屋に入ると傘を置き、靴を脱ぎ、上がりました。
そしていつも通り、お茶をしながら雑談をして、帰っていきました。
その後、玄関を良く見ると、まゆの靴と傘のあった所が濡れていないことに気が付きました。
外では、雨が降り続けていました。
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