31:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 02:49:04.32 ID:y2wSW8Jko
プロデューサーは差しだされた手を見つめ、再びわたくしの目を見つめ。
力強く、わたくしの手を握ってくれた。
「もちろんです。俺は、最初からそのつもりでスカウトしたんですから!」
喜びで気が抜けそうになる。胸からこみあげる何かを必死に堪え、わたくしは笑顔を作る。
「では、よろしくお願いしますわ! プロデューサー!」
「はい。こちらこそよろしくお願いします、二階堂さん」
「あら? わたくしたちは共に歩んでいくのですから。千鶴、で結構ですわよ」
苗字で呼ばれていては一緒に歩いているという気がしない。
「ええと、では千鶴さんと呼ばせてください」
「……さんも必要ないと言ってますのよ?」
「いやぁそれは流石に……なんだか落ち着かなくて」
まぁいきなり呼び捨てもあれですわね。こういうのは順序が大事と言いますし。
「……いいでしょう。でも、いつか必ず千鶴と呼ばせますわよ? おーっほっほっほっほ、ゴホッゴホッ!」
「ちょっ、千鶴さん大丈夫ですか?」
「え、ええ。これぐらいなんてことありませんわ。それよりも皆さんに挨拶に行きますわよ」
「あの子たちならもう楽屋に入っていると思いますよ」
「楽屋ですわね。では、案内してくださいまし」
「はい、こっちです。人の行き来が激しくなりますので気をつけて行きましょう」
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