23:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 02:21:27.75 ID:y2wSW8Jko
「それよりプロデューサーさん? これからあそこで何が始まるんですの?」
「決まってるじゃないですか。ライブですよ」
私たちは裏口から劇場に足を踏み入れた。中は表以上の騒々しさで、スタッフたちが忙しなく歩きまわっている。
スタッフの中には中学か高校ぐらいの女の子も混じっていた。誰もが一生懸命に準備を進めている。
「あんな小さい子も働いていますの?」
「ええ、あの子たちも二階堂さんと同じアイドルですよ。ここは皆で作る劇場ですからね」
皆で作る劇場。なんだか思っていたものとは全然違った。
アイドルなんだし歌ったり踊ったりするのが仕事でそれ以外はスタッフさんに任せるものだとばかり。
「この先が舞台裏です。少し暗いので足元に気をつけてください」
プロデューサーさんが分厚い扉を開けると冷たい空気がぶわっと流れ込んできた。
扉の先へ一歩踏み出す。既にお客さんが入り始めているらしく、遠くからざわめきが聞こえてきた。
そう、遠い。目の前の壁の裏側が舞台でそのすぐ先に座席があるはずなのに、とても遠い。
熱気を拒むかのような張りつめた冷気が舞台裏を満たしている。
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