2:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 01:01:40.30 ID:y2wSW8Jko
いつからか、誰かが私のことをセレブと呼び始めた。
それは違う、そう答えることは簡単だったかもしれないけれど、私はそうしなかった。
誰もが憧れの目で私のことを見てくれた。それが私には嬉しかった。
もちろんセレブと呼ばれるからには、そう呼ばれるに相応しい人間になろうと努力もしてきた。
嘘をついていることを心苦しく思うときもある。けれど私を信じ慕ってくれている人たちの期待を裏切りたくはない。
それに、追い続けていれば、いつか本物になれるかもしれない。そんな淡い期待が私を突き動かした。
「ですので、どうかみなさま! この後も応援のほど、よろしくお願いいたしますわ!」
歓声に包まれる。優勝を誓った以上、ここで気を抜いてはいけない。
けれど今、目の前に広がる光景を見ることができただけで、私は充分満足だと、そう思えた。
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