高垣楓「純情な恋する乙女なんて如何でしょうか?」
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38: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/10/23(月) 18:34:20.00 ID:tmsEt/C+O

「……雨、止みませんね」

「ですね……帰り、電車止まってないといいんですけど」

 外を見れば、あいも変わらず雨は窓を叩き続けていた。

 台風が直撃した月曜日の夕方、コーヒーを片手に帰りの道を慮る。
 まぁ多分電車は止まっているか笑えるくらいの時間を遅延しているだろう。
 大学生だったら休講だったろうが、社会人ともなるとそうはいかない。
 と言うか自分の性格的にどんな大雨だったとしても出勤していただろうが。

 傘は持ってきているが、この大雨だと大して効果もないだろう。
 いっその事傘は置いて全力疾走で帰ってやろうかななんて考え出す始末。
 まぁそれ程に雨と風は勢いを増し続けていて。
 ちひろさんも俺も、途方に暮れながらコーヒー片手に喋っていた。

「さて……私、書類出して来ますね」

「行ってらっしゃい。外寒いですからね、無事に帰って来て下さい」

「ここ屋内ですから、あとへんなフラグ建てようとしないで下さい」

 バタンッ。

 ちひろさんが行ってしまった。
 後には雨音と時計の針だけが響く。




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