94:名無しNIPPER[saga]
2017/12/09(土) 10:41:13.69 ID:w8z7tdGAO
男「聞こえるかい、唸り声」
「聞こえっ、聞こえてるっ!! ちゃんと聞こえて────」
男「………」
「──なによ、その目…っ…でも、その目で分かった…確信したわ、あんたの正体ってヤツ…!」ブルブル
「あ、あたしの体質…地獄耳体質は『糸電話』のように…悪意のイトで繋がり言葉を聞き入れる…」
「悪意的思考が、負の感情が向けられるほど聴力は強まり…会話すれば遠距離で居場所すら把握する…」
「言わば数値なの…悪意が高いほど良い…その逆は駄目…」
「善意や仲間意識、感謝の言葉で耳は遠くなる、でも数値が減少するだけッ! 一言で聞こえなくなるなんてあり得ない!」
男「………」
「でもッ、アンタの声は聞こえなくなった…それでまた【たった悪意の一言で聞こえるようになった!】」
「それでわかったわ…そう、そうなのね…あんたって人間は元より…」
「【最初から最後まで! その言葉に善意も悪意もこもっていない!!】」
シーン…
男「僕の声が聞こえるね、唸り声」グイッ
「ひいッ!?」
男「上っ面な優しさと根拠の無い褒め言葉。表面上より深層心理に深く介入する君の体質、実に憐れだ」
男「嘘を見抜ける。地獄耳体質は言葉の裏に隠された本質を見透かす、そういった体質なのだろう」
男「…でも」パッ
ドン!
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