30:名無しNIPPER[saga]
2017/10/28(土) 16:44:56.28 ID:FLbrBElf0
ふと目を開けると、目の前に赤いスライムがいた。
ぐじゅる、ぐじゅると蠢いている。
「……ああ」
私の身体は、赤いスライムに半分以上覆われていた。
きっと、お腹が空いてしまったのだろう。
私がどれくらい意識を失っていたのかは判らないが、少なくとも1日以上は食事をしていなかっただろうから。
だから、赤いスライムが我慢できなくなっても、仕方ないように思えた。
出来れば抵抗したいけど、私の意識はまだ朦朧としている。
痛みは、感じない。
ただ、むず痒さと熱さだけがある。
死ぬ事に対して、怖さは感じない。
けど。
「……ごめんね」
「誕生日、間に合いそうにないや……」
彼女に対する申し訳なさだけがあった。
赤いスライムが、私の顔に迫ってくる。
私はそれを、目を瞑って受け入れた。
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