10:名無しNIPPER[saga]
2017/10/10(火) 01:38:22.21 ID:h3AcEulr0
その腕の中に、身を投げ出すように少女は前へと進み寄り――身体を受け止める腕をすり抜け、顔と顔が不意に触れた。
「――――っ!? おまっ……!!」
『……へへん。どうせ離れ離れになるんなら、これくらい役得ってもんでしょ』
「いやそうじゃなくて……!」
「役。やーく。もっかい聞くけど、やる気ある?」
「……『馬鹿野郎。そこまでする奴がいるか』」
どんなに威勢のいい言葉を使っても、耳まで真っ赤にさせていてはまるで意味がない。
しかし彼女の意気を買って、プロデューサーは役に戻る。本音半分のセリフと共に。
『へん。まんまと騙されやがって。自分の服を見てみるんだな』
言われるがまま、男は視線を下に落とす。少女が身を引くと、糸がほつれてボタンの取れた無残なスーツの姿が目に入った。
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