65:>>62がつづいたよ大の方の誉望氏 ◆q7l9AKAoH.[sage]
2018/05/11(金) 03:36:41.93 ID:dqOtcDic0
『スクール』の隠れ家は平和だった。
誉望はゴーグルを頭に着けてぼんやりしていた。
心理定規はファッション雑誌をめくっている。
リーダー、かきねは組織宛に配送されてきた荷物からひよこのぬいぐるみを掘り出してご機嫌だった。
箱から大量に散らかしたものは放っておいても後で誉望が片付けるだろう。
そうやって隠れ家で過ごすのも慣れてきたのか。
かきねはソファの端と端でくつろいでいる心理定規たちの前で腕を組んで立つと大きな声で宣言した。
「みんなでおままこどしよ!」
「おままごとだろ」
ケーブルをコンピュータから外してヘッドギアを外す間も、誉望はいちいち言い間違いに訂正をいれる。
それでも文句も言わず遊びにつきあうあたり、二人も小さいかきねの扱いに慣れたと言うか。
すっかり影響されていた。
かきねは小さなリュックサックを持ってくると中に絵本とぬいぐるみをしまう。
「おれおとーさん。よーしぱぱがんばっちゃうぞー」
それを自慢げに背負って、会社に行くお父さんのつもりらしい。
「俺は?」
「ばんかはこどもそのいち。おねえちゃんはそのに。おれは、ぱぱだぞー!」
後の二人は特にすることは決まっていないのか配役が適当だった。
もしかしたら、自分が偉い人になるごっこ遊びがしてみたいのかもしれない。
「ばんかー、そこのぼーるとって」
誉望が能力でボールを一つ転がすと、それもリュックにしまって。
かきねは胸をはってベルトを両手でつかんだ。
「おとーさんはおしごとにいってくるからな! みんなはいいこでおするばんしてるの。わかりました?」
「お留守番」
「おへんじは」
「はいっス」
「はーい」
「よーしいってきまーす。はー、たいへんたいへん」
とことこ歩いて行って、ドアをあけ隣の部屋を一周するとかきねは元いたソファの前まで戻ってきた。
お留守番をしている二人が座っている前までくると、腕で額の汗をふく真似をした。
「ただいまー。はーつかれちゃったー」
どうやらお父さんはもう仕事をしてきたらしい。
ちょっと早すぎる気もするし何をしてきたのかはわからないが出社シーンが終わって即おかえりなさいパートに移っている。
「ぱぱたくさんおしごとしてきてつかれちゃったなー。じゅーすのんじゃうぞ。ぷはー」
「お父さん色々早過ぎないか」
「ほら、鞄くらい下ろしたら? 背負ったままよ」
自由すぎるお父さんにぼやく息子。
おねえちゃんがフォローしてごっこ遊びがなんとか進行する。
「そっか。ばんかーおかばんかたしてー」
「っス」
リュックは念動能力で近くのテーブルの上に移動した。
やるきのないパシ、もとい片づけだったが、お父さんは思った以上に感動したらしい。
「よーしおてつだいできたな! えらーい。ぱぱほめたげるよ」
そう言うと、かきねは座っている誉望の前までやってきて手を広げた。
「は?! い、いいっスよそんなの」
頭を撫でようとしているらしいことに気付いて慌てて誉望は首を振る。
だが、頭を下げろと肩や頭をぺしぺし叩かれて最終的に差し出す様に頭を垂れた。
そこから。
される方には地獄の、こっぱずかしいほめほめタイムがはじまった。
「いーのいーの。ばんかはいいこでえらーい」
「……っ」
100Res/193.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20