44: ◆q7l9AKAoH.[ saga]
2017/12/31(日) 23:25:57.46 ID:RLcoTAaT0
「ん〜。おねえちゃん」
その後。
部屋に戻ってきていた心理定規にとてとて寄っていくかきねはぎゅっとほっぺをおさえていた。
「あら。どうしたの? しかめっ面して」
「垣根さんがコーラに挑戦して負けそうになってるんス」
炭酸飲料はお子様にはまだちょっと早かったのか。
ぱしぱしする、と言ってけわしい顔をするかきね。
炭酸を我慢したのかちょっぴり涙目だった。
「くひがいはい」
いーっと、歯を見せておねえちゃんに報告する。
「おくちが痛いの。ふふ、困ったね?」
「くちも『とんでけー』する?」
どうやらおねえちゃんは何でも痛いのを治してくれるんだと思っているのか。
ちびっこの困った相談に微笑んでいた心理定規は少し考えると、
「そうね……もっといいのがあるわ。目を閉じて、あーん、ってしてみて?」
バッグを手にして何か探していた。
「あー」
素直に口を開けて待つかきね。
巣にいる小鳥みたいで、ピヨピヨかわいらしいSEでもつきそうな様子だ。
ぱかっと開いた口の中に心理定規は何かをつまんで入れた。
「あまい!」
さっきまでが嘘みたいに笑顔になる。
「おいしいでしょ。痛いの忘れちゃったかな?」
心理定規はそう言うと、自分も同じものを口にいれた。
もっといいものの正体はキャラメル味の飴だった。
「まさかのここでヴェ○タースオリジナル……だと」
「よく飴をもらうのはいいんだけど、私はあんまり食べないから」
「それは……やっぱりおじいさんが特別にくれるんスか」
何故なら彼もまた、特別なのかどうかはわからないが、妙に感動している誉望も揃って甘くてクリーミーで素晴らしいキャンディを味わった。
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