かきね「すくーる?」
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40: ◆q7l9AKAoH.[ saga]
2017/12/31(日) 23:17:06.91 ID:RLcoTAaT0

「おねえちゃーん。てー」

「あら、またお袖が下りちゃったの? はい。これでどう?」

テーブルに戻るとかきねはとてとて駆け寄ってきた。
セーターの袖を折ってあげると、心理定規は最後に何か袖につけた。

「あれ? りぼんだ」

「こうやってゴムで留めれば落ちてこないでしょ。こっちのキラキラがよかった?」

飾りつきのヘアゴムで畳んだところを押さえておく作戦らしい。
心理定規が見せたのはどっちも女の子らしいかわいいものだったが、かきねは嫌がったりしなかった。

「ううん。これでいいよ。ねーねー、かっこいー?」

「似合うわよ」

じゃーん、おててがでてるぞ! と喜んでいるかきねに心理定規も目を細めた。

「いやー非常に微笑ましい光景っスね」シャシンヲトリマース・・・カシャ

そんな様子を保存しておく誉望。
心理定規が見られないタイミングでかきねの様子を報告したら、
「画像くらいとっておいてくれればよかったのに…」と気の利かない奴認定されてしまったので、臨時記録係としてもパシられている。

「何で君のスマホはいちいち言ってから撮るの?」

「音消すのでもよかったんスけど。持ち主を守ってくれるアプリを入れてるんス」スクショナンデスヨ・・・カシャ

そう説明されて、見せられたスマートフォンを心理定規も手に取った。

「カメラだとこっちなの」トルヨートルヨーハイポーズ・・・カシャ

「ぴーす」

カメラのセリフにあわせてにっこりポーズをきめてくれたリーダーの画像がまた一枚保存された。


ほのぼのしていたさっきまでと一転して、心理定規は、
「『スクール』では組織の現状を第二級警戒警報発令時と同等に捉えることになったわ。下部組織にも順次伝達して同様に待機させることになったから」とにこりともせずに話した。

「『コードオレンジ』か。超能力者でリーダーが欠けたチームだから仕方ないと言っても、困ったことになったな。指揮系統はそのままスライドして心理定規が?」

「適宜君たちにも分担するからね」

「もちろんですって」

「組織としての機能だけじゃなくて、同時に彼の身の安全にも警戒しなきゃいけないわね」

今のかきねは、言ってみれば脅威の無くなった超能力者だ。
もしそれを知ったらあんな小さな子相手でもおかしなことを考える人もいるかもしれない。
もしもの想定はしておかないといけない、と真剣に心理定規は言う。

「……誰とは言いませんがね」

過去にストーカー疑惑のあった某理事を思い出したのか誉望も嫌そうにうなずいた。
ここに居ない『スクール』のもう一人、まだ学校にいる弓箭にも連絡をしておいたそうだ。
珍しくそれには誉望は嫌そうな反応をしなかった。
大きな問題は大勢で分担した方が楽だ。
早く人手が増えて自分の負担が減ることの方が嬉しいらしい。

「了解っス。つか電話のあいつとまともに話しあいになったんスか?」

「それなりには。ちゃんと何があったか知ってたわ……この隠れ家だってほら、この部屋も監視カメラがついてるし」

そう言って心理定規は天井の近くを見上げる。
照明の近くにカメラが仕掛けてあるのは組織内の他のメンバーも知っていた。

「そう言えば…カメラの設置もプライバシーは守ってるって言うっスけど。あれ本当っスかね」

「今までも困るようなところにはなかったし、見た限り増えてもないから一応は平気かな。そんなこと言うなら、君こそ気をつけてよ。見守りセンサーがたくさんあるのは今は助かるけど」

「カメラはアニメキャラのメガネみたく置き忘れたりはしないっス」

「そう言うもの?」

心理定規は首を傾げたが、嫌そうな顔も引いた様子もない。
小型カメラもゴーグルも、三次元には問題を起こさない趣味にしか活用していない能力者の信頼はここでも厚かった。



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