25: ◆q7l9AKAoH.[saga]
2017/10/31(火) 03:54:41.17 ID:x6mL7DL40
ただの紙飛行機も、念動力があればいつまでも部屋の中を飛んでいる。
「あーっぶつかる! せんかいだ!」
「はいっス」
「つぎこっち」
「はいっス」
「ぐるぐる!」
「はいはーい」
ドローンのように操作も自由自在だ。
「へへへ。たーのしかった」
「そっスねえ」
それからずいぶん、部屋の中にあったもので二人は遊んですごした。
かきねは満足したのかにこにこして額の汗を拭く真似なんてしている。
「ふー。あそんでやるのもたいへんだ」
「そうですね。俺は充電してますねー」
「たいりょくいっぱいになったらまたあそんだげるね」
「ありがとうございまーす。垣根さんは平気っスか?」
「うん。おれはおげんきだからまだいっぱいできる」
「ははは……回復が早すぎだろ。スタミナどうなってんだ?」
両手を飛行機のように広げると、ぶーん! と言ってくるくる走り出す。
ずっとちょろちょろ動き回っているがかきねはちっとも疲れた様子がなかった。
お子様の体力はまだまだ底が見えそうにない。
「おねえちゃんもかえってきたらあそんだげよー」
「おねえちゃんさんはキャッチボールより、的に当てる方が得意じゃないスかね」
マークをつけた紙をたくさん壁にはりつけて、ボールを投げて点数を競う遊びもしていた。
外側から十点、三十点……ときていきなり真ん中が百万点になってしまうのがなんとも子どものルールらしく微笑ましい。
「おれもじょーず! ひゃくまんてんいっぱいとったもんな。おねえちゃんもおじょーずか。どして? それもまほー?」
「えーと、それはっスね……」
もしや余計なことを言ったか? と誉望が気付いた時にはもう、小さいかきねのきらきらした好奇心が向けられていた。
その迫力、と言うか熱意に圧されてすっかり引き気味になっている。
どうやら、小さい時が相手でも誉望が垣根に対して強く出られることはなさそうだった。
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