10: ◆q7l9AKAoH.[saga]
2017/10/09(月) 04:31:52.61 ID:CdsvNY5b0
「びっくりしちゃったのかな」
「ん。おれ、えらいからなかない」
「そう、強いのね」
じっと我慢するかきねの頭を撫でてやりながら、心理定規は話かけ続けている。
少しでも気をまぎらわせてあげようとしている優しいおねえちゃんだが。
「俺くらいになるとトラブルになる前に子どもが避けてくれるんだよな……」と誉望は何だか日頃の行い込みでげんなりしていた。
「もう、こっちは頼りにならないお兄ちゃんね。『いたいのいたいの〜飛んでけ〜』」
「あれ。とんでった?」
「よかった。気をつけてね」
心理定規のおまじないでかきねに無事、笑顔が戻った。
もう大丈夫、と二人がほっとしていると誉望がおそるおそる近寄ってきた。
まだ距離は充分にあけていつでも待避できる。
どこの戦場か、と言うくらい姿勢を低くして警戒態勢で様子をうかがっている。
「君は……大丈夫じゃなさそうね」
「小さくても垣根さんならちょっとくらい、何とかなる気がしてたんス。だって垣根さんスよ」
「どれだけ彼を信頼してるの」
「そもそも垣根さんで『未元物質』に俺らの常識が通用するわけがないじゃないスか」
「彼を何だと思ってるのよ」
はあ、と呆れた顔の心理定規。
確かに『スクール』のリーダーはいろいろと、信頼度抜群だが。
はたしてそう言うレベルの話だろうか。
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