ジャンヌ・オルタ「台無しにしてあげます」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/08(日) 16:55:05.41 ID:MlpcfRuf0
 目を瞑る。

 それまで一度も切れることのなかった視線が伏せられる。静かに目を瞑り顔を伏せて、一旦そうして間を置いて。

 それからそっと近付いた。空いていた距離が詰められて、重なる寸前……もうほとんど触れ合っているくらいの傍まで顔が寄せられる。そしてその状態で、吐息を混ぜ合い想いを贈り合いながら。


「……なら、してください。キス。……誓いのキスを」

「誓いの?」

「ええ。この時代では誓いを立てる時に交わすキスがあるのでしょう?」

「確かにあるけど」

「ならそれを。……私を受け入れると。私に嘘は吐かないと。私を……今だけじゃなくこれからも、普段の通りに戻った私のことも、私のすべてを愛すると。……誓いのキスを」

「……いいよ。わかった。でも」

「でも?」

「オルタはいいの? 誓われて。誓いを立てられる相手がこの僕で」

「愚問ですね。答えるのも馬鹿らしくなるくらい、どうしようもない愚かな問い。……もちろんです。他の誰へも許しません。私が誓いを許すのは唯一人。……あなたにこそ誓ってほしい」

「ありがとう。僕も誓いたい。オルタにだけ」

「……」

「……」

「……マスター」

「うん」

「愛しています」

「僕も、オルタのこと愛してる」

「ええ。……未来永劫、決して放してあげませんから。……ずっと、ずっと、大好きです……」


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