21: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:50:05.26 ID:h7xFOhfZ0
「急ぐ必要は無いわ。焦らず、ゆっくり考えなさい」
難しい顔をしていたのでしょうか、ヘレンさんは少し背伸びをすると私の頭を軽くポンと叩きます。
年上のお姉さんにこういうことをされるのは珍しいことなので、なんだか恥ずかしくなってしまいます。
「ふふっ、なんだかくすぐったいですっ」
「少しは元気が出たようね」
私の顔を見て満足したのでしょうか、ヘレンさんは満足そうな顔で出口へと歩いていきました。
「どこに行くんだい?」
「私を待つ人々に情熱を届けに行くのよ。私のこの世界レベル溢れる情熱をね!」
「多分ディナーショーの仕事じゃろうなぁ」
「悠貴、鍵と今の貴女についてもう一度見つめ直してみなさい。貴女達のライブ、楽しみにしておくわ」
「ヘレンさん……ありがとうございましたっ!」
去っていくヘレンさんに私は深々とお辞儀します。
ヘレンさんは振り返ることなく右手を天に掲げると、そのまま去っていきました。
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