12: ◆twOYNJxMJs[saga]
2017/10/06(金) 00:41:11.15 ID:h7xFOhfZ0
「………」
「でも、ごめんなさいっ! ライブの直前なのにこんなことでみなさんに迷惑をかけてしまうなんて……本番では失敗しないようがんばりますからっ!」
最後の方はもう必死で、でもこれ以上心配かけないようにと何とか笑顔で答えようとします。
「無理してないかい」
「えっ……」
「今の笑顔もただ取り繕うだけの笑顔だよ。キミの本当の笑顔はどこに行ったんだ」
「そんな……そんなこと言われても! 大切な鍵が無くなっちゃったんですよっ! あれが無いと私は……っ!」
飛鳥さんに感情的になってしまい、ハッとします。こんなことをしてはいけないのに……
けれど、飛鳥さんが怒ることはありませんでした。むしろ少し笑っています。
「フフッ、悠貴もそんな顔をするんだね」
「そんな顔?」
「ああ、すまない。悠貴も感情的になることがあるってことだね」
「ごめんなさい……」
「いや、いいんだ。……この後時間はあるかい?」
「時間ですか? 時間ならありますけど……」
「だったら……新しい鍵を見つけに行こうじゃないか」
飛鳥さんの言葉を聞いて私の頭にはクエスチョンマークが浮かびます。
新しい鍵とはどういうことなのでしょうか?
「買い物にでも行くんですか?」
「別に形に拘る必要はないよ、悠貴にとって鍵だと思えるものなら何でもいいんだ」
この時の飛鳥さんは優しい目で、その言葉に何だか私は救われるような気がしました。
けれど、どうして飛鳥さんはここまでしてくれるのでしょうか?
これは私の問題で飛鳥さんには関係のないことなのに……
「理由かい? 理由なんて……あるとしたら悠貴の笑顔が嫌いじゃない、それでいいだろう? さぁ行くよ」
そう言うと飛鳥さんは自分の荷物を持って扉の方へ向かいます。
すぐそっぽを向かれてしまいましたが、この時の飛鳥さんの顔は少し赤かったような……って、待ってくださーい!
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