11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/09/30(土) 14:54:54.55 ID:r5zFZECu0
ココアを一口飲んだ彼女が驚いたように僕を見る。
「なんか味、変だった?」
心配になって尋ねると、彼女は小刻みに首を振った。
「美味しいです、とっても」
どうやら、いたく感動していただけのようだった。
バゲットに手を伸ばす。熱かったから、端っこを持って齧った。
ほんのり焦げ目のついたパンの風味が、口の中に広がる。
さくさくとした食感がたまらない。それがココアに絶妙に合っていて、つい止まらなくなってしまう。
空いていたお腹が満たされていくと、どうしてこんなにも穏やかな気分になれるのだろう。
それはひとえに、目の前で幸せそうにココアを飲む彼女のおかげなのかもしれない。
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