八幡「雪ノ下たちが幼女になってた」
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338: ◆hfr5rHILM6
2017/10/18(水) 01:12:06.58 ID:YmFdvbmy0
「で、で! その子誰なん? ヒキタニくんの隠し子?」

「んなわけねーだろ……」

 自分の席に着席した俺とロリヶ浜さんを待っていたのは、案の定というか、クラスメイトによる質問攻めという名の拷問であった。俺が教室右端の中ほどの席に座っているせいで、回りにクラスメイトと言う名のヤジウマどもが固まると、前後左右に逃げ場がない。

 俺のベストプレイスでの食事と言う名の癒しは何処へ行ってしまったんだ……。今日はただでさえストレスを感じる場面が普段の何倍もあったというのに、普段の生活では存在する休憩ポイントすら許されないというのか。勇者はちまんのHPはもう尽きそうだよ。

 半魔法使いだからMPだけは高いけど使える呪文なんて一つもねーんだよ。この有り余ったMPどうしてくれるんだ、ベホマじゃなくていいからベホイミ唱えさせろ、ベホイミ。もしくはイオナズンでもいい。

 せめてもの意趣返しとして心の中でリア充への呪詛を唱え続けていると、次に葉山が質問を投げかけてくる。

「隠し子と言うのはまぁないとしても、随分懐かれてるじゃないか。どこの子なんだ?」

「いやまぁ、それは……プライベートなアレだよ、アレ」

「アレじゃわかんないっしょ! ちょー気になってマジ夜しか眠れないから!」

「ちゃんと眠れてるじゃねーか」

 リア充どものくっだらない掛け合いで周りに笑いが起きる。うっぜぇ……。早くもすべてを投げ出してここから逃げ出したくなる衝動に襲われたが、膝の上で不安そうに縮こまっているロリヶ浜さんがいる以上、この子を残してこの場を離れるわけにもいかない。

 というかお前はどちらかというとあちらのグループに属してるよね? むしろ俺の膝の上じゃなくてあっちのお兄ちゃんたちと戯れるべきじゃないの?

 と、よほど口に出したかったが、それはすなわちこの子の正体を暴露することと同義である。ので、俺はロリヶ浜さんに倣って、周りの視線から逃れるように身を縮こまらせるのがせいぜいであった。

 その後も周りからの質問をテキトーに聞き流していた俺に、先ほどからじっとこちらを睨みつけていた炎の女王サマの声が投げかけられてきた。

「……つーかさ、その子、ユイに似てない?」

 ……鋭くないですか、三浦サン。一瞬ものすごく動揺してしまったのだが、その表情は読み取られてない……よな? とりあえずここは適当に答えてお茶を濁そう――

「…………」

 と思ったのだが、膝の上のロリヶ浜さんは、全力で目をそらして、汗をダラダラと流している。おいお前分かりやすすぎるだろ、ギャグマンガじゃねぇんだぞ。

 俺の反応と、ロリヶ浜さんの挙動不審さを照らし合わせて、ある程度の確信を得たのか、三浦がゆっくりと口を開く。

「……あのさ、その子って、もしかして――」

 やっべ、これ終わったわ。


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