337: ◆hfr5rHILM6[sage]
2017/10/18(水) 00:47:50.95 ID:YmFdvbmy0
ロリヶ浜さんの戯れを眺めていたらいつの間にか四限が終わった。あれからなでなでだけにとどまらず抱っこを要求してきたり、胸のあたりに頬を擦りよせてにへらと笑ったりと、向こう側から様々なスキンシップを敢行された俺を見る周りの目は、もはや微笑ましいを通り越してロリコンを見る目と化していた。仕方ないね。
俺だってスキンシップを取るのは本意ではないのだ。まあこうしてロリと化した三人の世話を焼いていると、今よりも純粋だったころの小町を世話しているような気分になって癒されたりはするんだけれども、それでいやらしい気持ちになったりは一切しない。誤解のないように言っておくが、小町は今でも天使である。
まぁ目の腐ったぼっちであるところの俺の言い分を聞いてくれる奴なんて無論存在しないのではあるが。
これで膝の上にいるのがもとのガハマさんじゃなくてよかった。元のガハマさんにこんなスキンシップを通り越したら勘違いを通り越して性的に襲って返り討ちに合うまである。返り討ちに合っちゃうのかよ。
そんなわけで四限の終わった俺は、三限終わりと同じようにそそくさと教室から退散しようと素早く行動を起こしたはずだったのだが……あれ? なぜか教室の後方ドアの前に仁王立ちしている腐った眼鏡娘の姿が見えるぞ?
「今度は逃がさないよヒキタニくん……ぐ腐腐」
眼鏡の下から妖しい眼光でロリヶ浜さんを見る姿はもはやただの変質者である。
いやあんたただの腐った女子じゃなかったの? まさかBLだけじゃなくてロリコンの気まであったの? ロリヶ浜さんもいつもなら苦笑で受け流すところを怯えて縮こまっちゃってるじゃねーか。
顔を引きつらせながら後ずさって、前方のドアの方に向かおうとするが、そちらは海老名サンと話している間に葉山の取り巻き三人衆が固めていたらしく、戸部が好奇心にあふれた瞳でこちらを眺めてくる。
「ヒキタニくん、その子ちょー気になるんだけど! 話聞かせてくんね? ちょっとでいいから!」
うるせぇ、お前らリア充のちょっとって言うのは信用できないんだよ。中学の頃「ちょっと仕事変わってくれない?」と言われて様々な雑用を押し付けられたが、本当にちょっとの時間で終わった試しなんてねーわ。
そして教室の隅からは、炎の女王こと三浦サンがこちらを熱いまなざしで見つめてきている。やめてくれよ、惚れるを通り越して掘れるわ、主に俺の身体が。
「うー……ひっきぃ……」
ロリヶ浜さんがちょっと涙目になって俺の制服の裾を握る。やめて皺になる。
もはや半ばあきらめかけてはいるものの、一応前後に控える葉山の愉快な仲間たちに声を掛ける。
「……そこ塞いでたら他のクラスメイトにも迷惑だろ? まあ落ち着けよ」
「ヒキタニ君が自分の席に座ってくれたらすぐに退くよ」
いつも通りのイケメンフェイスでいけすかないイケメンに諭される。もはや言い逃れも責任逃れもこの場からの逃走もできないようだ。
「……わかった、わかった」
俺は全面的な降伏の意志を示すように両手を上げると、まだプルプルしているロリヶ浜さんを伴って自分の席に着席するのであった。
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