19:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 08:56:38.47 ID:SjBa6GBgO
この人に、あの話をしようか…一瞬頭によぎったけれど、すぐに頭から追い出した。なぜかはわからないけれど、彼女の言葉を聞くのが怖い…そう感じた。しかし、
「なにか、ききたいことがある?」
そう言って彼女はわたしの瞳を見つめた。綺麗な顔だと思った。それに、この瞳…左右の色が少し違う、いわゆるオッドアイ。これだけでも、彼女が他とは違う存在なのだと感じさせられてしまう。
「あっ、えっと…」
「ごめんなさい、そういう顔をしてたから」
お見通しか。こうなったら、覚悟を決めようーー
「楓さん…楓さんにとって、特別な人は誰ですか」
楓さんは、きょとんとした顔をしていた。それもそうだろう。あまりに突然すぎる。
「特別…特別…。特別な、人。うーん、難しい質問ですね」
彼女は、きっと多くの人にとって特別な人と"思われる側"の人間。そんな彼女は、一体誰を特別に感じるのか…それは興味があった。けれど、答えを聞きたくない気持ちもある。だって、この人が相手なら、わたしはきっと敵わないから…
「これは、あなたが期待している答えとは違うかもしれないけれど…私を特別扱いしない人たち、かしら」
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