15:名無しNIPPER
2017/09/26(火) 08:53:22.07 ID:SjBa6GBgO
素敵な気持ち…そうか、この気持ちは"素敵"だったんだ。だとしたら。
「神谷さんは…」
「奈緒でいいよ」
「あっ、えと…奈緒さんは、特別に思う相手はいますか?」
「はっ、はぁぁ〜!?それをアタシに聞くのかよ〜!」
「ふふ」
「なんで笑うんだよぉ〜!」
そう、これでこそ、この人だ。わたしは悪いと思いながらも、笑ってしまった自分が可笑しかった。なんて純粋な人だろう。照れて潤むこの赤い瞳も、人々に愛される所以だろう。もしかしたら、この赤い瞳が潤んだときの美しさに惹かれて、みんな彼女をからかうのではないかとさえ思ってしまう。
「特別に思う人…そりゃあいるさ、アタシにだって。うん、いる。たくさんな」
「たくさん…」
「そ!まず両親だろぉ。それから、凜に加蓮に、うーん、事務所のみんな!もちろん、ありすもな!それから…うん、ファンのみんな、かな。」
そうか、特別に思う相手が一人でなければならない理由はない。こうして、たくさんの特別な相手がいることは何にもおかしいことじゃないんだ。わたしはどうだろう…両親、ファン、事務所のみんな…確かに特別な人たち。けれど…
「私はさ…これといった取り柄はないんだ。凜や加蓮みたいに美人だったり、歌が上手かったりするわけでもないし、ダンスには少ーし自信もあったけど、事務所では上手いやつなんてゴロゴロいるしな。楓さんみたいなスタイルの良さも、雫みたいな…あの、ああいう体でもないし、サイキックも忍術も使えない、ただの恥ずかしがりやで可愛い服が好きなだけの女の子なんだ。けど、そんなわたしを可愛いと言ってくれる、応援してくれるファンは…うん、やっぱり特別だ。けど…」
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