58: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/04(水) 18:28:24.58 ID:t9VFdT8i0
でも今日の貴音は違ったんだ。
やっぱりどこか心あらず。曖昧に「はい」って頷くと。
「響は、今日が何の日なのか知ってますか?」
「今日? 今日は……いっつも余裕が全然ない、生水のちょうど収録日」
「ではなく」
「違う? じゃあ……。分かった! 誰かの誕生日!」
「明日は琴葉嬢の誕生日ではありますが、本日はどなたも」
「これも違うの? う〜ん、他になにかあったかなぁ」
ゼンゼン思いつけない自分に、それでも貴音は黙ったまま。
ヒントとか、くれても別に構わないのに。……っていうかヒント! それ!
「ヒントちょーだい!」
すると貴音は左手を、自分の頭にくっつけて。
まるで動物の耳が動くようにぴくぴく動かして見せたんだ。
「耳? ……犬かな?」
「響、自分は今どんな恰好をしていますか」
「どんな恰好って、生水でやってたチャレンジの服装まんまだから……」
言われるままに自分の服装を確認する。
頭につけたうさぎ耳、羽織ってる上物のバニーコート、
お尻にはしっぽがついてるし、貴音とお揃いのレオタード。
履いてるヒールの踵だけは、ぽっきり折れちゃってたけれど。
……毎度のことながら大変さー。
今回の『うさぎ跳びで赤坂ミニマラソン』なんてチャレンジがどうして会議を通ったのか。
というか、うさぎ跳びってマラソンじゃないし。
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