52: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/02(月) 20:31:01.93 ID:vPsX6YiQ0
大げさな悲鳴を一つ上げ、男が渋い顔をして美奈子を見た。
すると彼女は「だったら」と、良いアイディアがあると言わんばかりに指を立て。
「並より少ない量にすれば、食べてくれるってワケですよね? なら、おかわりの量は中盛りで――」
「待て待て待て待て中盛りってなんだ? そいつは並とは違うのか?」
慌てて尋ねたプロデューサーに、美奈子は笑顔で肯くと。
「今食べているそのお皿の、大体五分の四ぐらいです」
「それ、単なる普通のおかわりじゃ」
「中盛りがダメなら小盛りにします? こっちは四分の三ですよ♪」
「いやぁ、殆ど変わりがない」
「なら一番少ない末盛りに。お皿の面積八分目です!」
「もうすっかり想像すらできん……」
男は美奈子に向かって微笑み返し、炒飯の始末に取り掛かる。
途中、緑の小豆にレンゲの行く手を阻まれたが、彼は器用にソレを取り除き。
「なぁ琴葉」
「はい、なんですか?」
「グリーンピース食べてくんない?」
言うが早いか琴葉の皿に、集めた小豆をぶちまける。
「えっ、あの、ちょっと待っ――な、なにをっ!?」
「お前の酢豚、彩りがな。さっきからそれが気になって」
「緑ならここにピーマンがいます!」
箸でしっかと捕まえて、掲げて見せるミス田中。
その瞬間、美奈子が「なるほど!」と声を上げた。
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