46: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/29(金) 23:08:24.84 ID:6cJ7fJ0D0
「ついこの間の話なんですけど、私、カラオケで九十点台を出したんですよ!」
すると律子が眉をひそめ、考え込むように目を細めた。
「可奈が、カラオケ歌って高得点……?」
「はい! いつもはその、六十点とか五十点とかなんですけど……。
でもでもその日は調子良くて、逆にみんなの方が普段の私ぐらいしか取れなくて――」
ぞくり。楽し気に話す可奈の姿に、律子が背筋を寒くする。
もしかしてまさか、でもそんな? 確かめてみるのは恐ろしいが、
だがしかし、万が一ということもあり得るから……。
「あー……可奈? ちょっとだけ聞いてもいいかしら?」
「はい? なんですか律子さん」
「そのカラオケのメンバーって誰と誰? もしかしてだけど……」
そうして律子の口にした事務所メンバーの名前を聞き、
「凄い! どうしてみんな分かるんです?」と可奈が不思議そうな顔をする。
「あっちゃ〜……。やっぱりかぁ〜」
逆に予想が当たった律子の方は、信じたくないといった様子で机に肘をついていた。
さらに彼女は安堵と疲労の入り混じったような笑みを浮かべ。
「えっとね……可奈? 多分だけど、枠はいつも通りに取れるかも」
「えっ? でも律子さん、さっきは難しそうだって……」
「それなんだけど、私忘れてた」
キョトンと聞き返した可奈に、律子がやれやれと首を振った。
「機械だって完璧じゃない。たまにはミスをするってコト」
340Res/273.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20