37: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/28(木) 22:33:58.60 ID:uAXr0QO10
===5.
「パーティ言うたらたこ焼きやろ!」その一言を発端に、まさかこんなことになってしまうとは。
今、所恵美はパンパンに膨らんだ買い物袋を両手に騒がしい通りを歩いていた。
どこの通りかと訊かれたら、渋谷や原宿などではない。ここは磯の匂い香る魚市場。
「どしたのめぐみー、おっそい遅ーい!」
「あんまり遅いと置いてくでー♪」
そんな彼女を急かすのは、高坂海美に横山奈緒。
二人も荷物は持ってるが、恵美とは違って飲食物。
買ったばかりのお団子一口、海美が「おーいしー♪」と頬を落とせば奈緒も串刺しにされた魚の切り身にかぶりつき。
「このな! このヅケもタレの旨味がしゅんでてしゅんでて!」
「ねっ、ねっ? イカのお団子あげるからさ、私にも一口それちょーだい!」
「ええよ〜、ええよ〜、かまへんよ〜? ほい!」
「はくっ、むっ……ふみゅ、ふむっ!」
「はっははは! ちょっと海美、お顔がハム蔵みたいになってるや〜ん!」
なんて、キャッキャウフフと忙しい。
そんな二人に置いて行かれまいとして、恵美が人混みを掻き分けながら
「ちょっと海美、奈緒! 少しは歩くの加減してよ〜!」と泣きついた。
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