326: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/12/09(日) 23:28:31.44 ID:SKk6W+iM0
だから私は、そんな三人にごめんねと前置きした後で。
「プロデューサーさんは今、社長さんに呼ばれて事務所の方に出かけてるの」
すると、環ちゃんは不満でいっぱいという風に顔をしかめ。
「えぇ〜、また社長ぉ〜!?」
「……お仕事の話で行ってたら、暗くなるまで帰ってこないよね?」
困ったように育ちゃんが言うと、桃子ちゃんがやれやれと溜息をついて続けました。
「別に直接渡さなくたっていいんだよ。……お兄ちゃんが忙しいのはいつものコトなんだし、
皆分かってるから机の上に色々置いてってるみたいだし」
だけど、そう言う彼女が一番残念そうに見えるのは単なる私の気のせいかな?
――作業の手を止めて三人の様子を眺めていると、
環ちゃんがまず、ズボンのポケットから両手いっぱいのどんぐりを机の上に広げました。
「なら、たまきもどんぐり置いとこーっと! くふふっ♪ おやぶんビックリするかなぁ?」
次に、育ちゃんが可愛らしい帯のついた栞を本の上へ。
「学校の授業で作ったんだよ」と、押し花の挟まった栞を置いてにこやかに笑います。
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