32: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/27(水) 23:38:57.09 ID:tML5rDyE0
「では、参りますよ」
その一言が合図だった。
刹那、貴音が「フッ!」と息を吐き、しなる右腕放たれる弾丸。
円や弧どころか直線で、飛んで来るマシュマロの速いこと!
「容赦がない!」と泣き言を言いたい。しかし響にだって意地がある。
得意の卓球で鍛えた動体視力ですぐさまコースを割り出すと、腰を落として受け止めるために口を開けた!
「うにゃっ!」
カチン! 響の白い歯が鳴らされる。コースは完璧だったのだが、口を閉じるのが早すぎたのだ。
マシュマロは彼女の顎に当たり、そのまま落下するものと思われたが――。
「こんのぉ!」
響が胸を思い切り逸らし、落ち行くマシュマロの先に柔らかなクッションを用意する。
それはまるで、サッカーボールを胸でトラップするように。
「響!」
「貴音!」
一瞬の間。互いの名前を呼び合って、響は駆け寄って来た貴音に報告した。
「見て! ちゃんとマシュマロキャッチした!」
「響、真に見事です!」
「ほらほらちょうど、胸の間に入った入った…って、うぎゃーっ!!?
た、貴音はなんでカメラを持ってるの!? そんなトコ撮っちゃ、やだ! ヘンターイっ!!」
羞恥に耳まで赤くして、響がその場にうずくまる。
……こうして深夜の響チャレンジは終了した。
この時画面を占拠した、白きマシュマロを引き立てる小麦肌の鮮やかさはファンの間での語り草になったとか。
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