311: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/10/17(水) 23:10:14.03 ID:1q/u2qOm0
「プロデューサーさんに麗花ちゃん……? あの、お二人は一体何を?」
「歌織さん! いや、これはですね――」
「今度の衣装の出来栄えを、プロデューサーさんに触って確かめて貰ってたの♪」
歌織さんの顔が驚きに固まる。ついでに部屋の空気も凍る。
そうして、固めた当の本人はニコニコ笑顔を浮かべたままくるりとこちらに向き直ると。
「それで、今から別のトコも……。プロデューサーさん、さっきの続きなんですけど、この衣装しっぽがふわふわ〜ってしてて!」
言いながら、体を捻るようにして自分のお尻を見せて来る。
そりゃ、確かに麗花が言う通り、その部分にはウサギのしっぽが生えていた。
形の良いヒップラインの、その盛り上がりにちょこんとくっつく白いほわほわ……。
「触ると、もこもこ気持ち良いんですよ。ふふっ、じゃあじゃあ早速さっきみたいに」
「お、おい。麗花、君はまさか――」
「触って確かめてくれますよね?」
子供みたいに無邪気に笑う。誘うようにしっぽがピョコピョコ揺れる。
そうして、経験から培われた俺のプロデューサーセンスが囁いている。
『賭けるべきか賭けざるべきか?』
できるなら勝負自体を降りたい。
脱兎の如く走り出したい。
背後から近づく歌織さんの足音に怯える俺は、まるで銃を向けられたウサギだった。
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